温胆湯について解説いたします。

効能・効果

胃腸虚弱者の不眠・神経症

とありますが漠然としていますよね。他の漢方薬にも不眠・神経症の効能効果があります。それと温胆湯は、何が違うのか紐解いていきたいと思います。

冷やす漢方薬なのに温胆湯

温胆湯とネーミングされていますが、この漢方薬は冷やします。それであれば冷胆湯とするべきなのですが何故なんでしょう。恐らくは胆を冷やすという言葉がありますが、、意味は驚き恐れてヒヤリとするです。しかし、温胆湯は冷やしはするけれども胆を結果的に元気づける処方で、逆にヒヤリとなりにくくする漢方薬ですから、冷ではなく温にしたのでしょう。胆を元気にするのが温胆湯と言いましたが、他の不眠や神経症の違いはここにあります。それを次に解説いたします。

胆胃不和にもちいるのが温胆湯

痰と言えば風邪ひいた時に喉から出てくるあの粘った液体を想像するかと思いますが、漢方の世界ではその痰もありますがそれだけではありません。不眠や幻覚などの脳症状、しびれや麻痺などの神経症状が現れた時に痰があると判断します。温胆湯は、この脳の症状が出た時に使う方剤です。またここで痰と脳というキーワードが出ました。胆を元気にする、痰、脳の症状。解説を続けます。

 

 

温胆湯の適応証は、胆胃不和です。胆胃不和とは、心胆気虚+胃不和+胃気上逆・痰上擾に分解することが出来ます。ひとつひとつ見て行きます。

 

 

まずは心胆気虚。胆は、決断を主ると言われています。それが気虚、元気がありませんので、このタイプの人は決断が出来ません。正確には元気がないというよりも胆っ玉が小さいことを意味します。大きい決断は誰しもが決断するまでに多少時間はかかりますが、このタイプの人は些細なことを決断できません。例えばレストランのメニューを見て何を食べるかが中々決められません。ちょっとしたことが決められない。ようやく決めて注文してからも、やっぱりこっちにしておけばよかったと後悔するようなタイプの人です。胆っ玉が小さいのでオドオドビクビクもします。さらにはとにかく不安でしょうがありません。外出する時に鍵をかけてしばらくすると鍵をかけたかどうか心配になってもう一回家に戻ったりします。物音に過剰にびっくりしたり、疑い深かったりもします。温胆湯は、こういうタイプの人に効くのですが、それがつまり胆を元気にするという意味にあたります。

 

 

心(しん)の弱りから現れる症状としては、心悸・不眠・幻覚・幻聴・幻視。心悸は、心配事があれば誰でも動悸するのでそれではなく、この場合のは普通の人が心配しないよなことに心配をしてドキドキします。漢方は、心臓と脳を合わせて心と考えています。温胆湯は、こういう不眠と神経症に効きます。

 

 

胃不和は、食欲不振、舌の苔がベトッとする状態です。胃気上逆は、悪心・嘔吐。痰上擾は、痰が頭部に巻き上げられてめまいが引き起こされます。酷いと目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったりもします。効能効果の胃腸虚弱者というのは、この辺りのことを指していて、胃が弱って痰を発生させてしまっているのを温胆湯は痰を取って胃の働きを元通りにしていくれます。

 

 

以上の内容を圧縮すると効能効果の胃腸虚弱者の不眠・神経症となります。不眠・神経症と言えば肝心腎がらみの方剤が多数を占めるのですが、胆胃不和という他の方剤とは一線を画す方剤となっています。

竹茹(ちくじょ)と枳実(きじつ)

温胆湯の主薬は、竹茹と枳実。竹茹は、竹の皮の部分。枳実は、ミカンのダイダイ。竹茹は、心と胆にねっとりとまとわりついた痰をはがし、枳実は気鬱を壊し、横隔膜をゆるめて硬直状態を破壊し、痰を排泄させる優れもの。それを助けるかたちで半夏・陳皮・茯苓・甘草が入っています。

温胆湯の取り扱い

  • 温胆湯エキス細粒G コタロー 90包 ¥7,200(税抜)
  • 温胆湯エキス顆粒 イスクラ 90包 ¥8,740(税抜)
  • 加味温胆湯エキス顆粒 クラシエ 90包 ¥10,500(税抜)

 

 

 

温胆湯エキス細粒G コタロー

コタローの温胆湯は、上で説明した一番オーソドックスな温胆湯になります。

 

 

 

温胆湯エキス顆粒 イスクラ

イスクラの温胆湯は、黄連と酸棗仁が加味されていますので、舌が真っ赤で苔が黄色で不眠や動悸や不安がより強く症状として現れている時や、悪心・嘔吐が強く出ている時にはこちらの処方がより適しています。

 

 

 

加味温胆湯エキス顆粒 クラシエ

クラシエの温胆湯は、地黄・人参・玄参・大棗・遠志・酸棗仁を補うお薬が多数配合されているので、心胆気虚の心に手厚く補う処方になっています。温胆湯証が慢性的に長く続いて気も血も陰も消耗してしまった人に適しています。但し、いくら慢性だからと言っても痰が強く出ている人は、まずはコタローかイスクラの温胆湯で痰をある程度除いてから使用することをおススメします。

 

 

 

  • この記事を書いた人: 国際中医専門員 医薬品登録販売者 三ツ川道洋
  • この記事を監修した人: 薬剤師 三ツ川亜希
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