流産を予防する漢方薬

流産を予防する漢方薬

漢方に関係すること、書き残しておきたいこと、一般の方々に漢方の和歌ノ浦薬局のことについて書いています。最近は、TwitterやInstagramにも投稿していますので、そちらも是非ご覧ください。
三ツ川道洋
三ツ川道洋

2010年2月に当店ブログ”はじめよう!漢方生活”で記載した記事からの転載です

 

 

 

流産については、不育症最新レポート内にて詳しく解説していますので、そちらを参考にして下さい。このレポートを基にして流産を予防する漢方薬をいくつか挙げたいと思います。

 

 

 

自然流産とは、妊娠22週未満に自然に流れてしまうことを言います。自然流産をする確率は、15%(妊娠を認識していない場合は含まれていない。)。そして妊娠していることを知らないで流産している確率は30%と推定されていますので、合わせると45%の確率で流産は起こっていることになります。

 

 

 

また自然流産率15%という値は、あくまでも平均値であって、年齢が上がるとさらに確率は増えることも分かっています。そして35歳を過ぎるとこの値は急激に増え、35歳:20%、40歳:40%、42歳:50%となります。

 

 

 

自然流産の原因として最も割合が多いのは、胎児側の染色体異常で60%を占めます。25%は、排卵した卵子側の染色体異常。染色体異常があればその時点で自然淘汰するように体はなっています。

 

 

 

自然淘汰による流産は、自然の摂理で仕方のないことですが、問題は女性の年齢が上がると確率が増えることです。晩婚が当たり前の時代ですから、子供が欲しいと思った時点ですでにボーダーライン前後のところに来てしまっている状態です。

 

 

 

それではこの問題を漢方薬でどのようにケアしていけば良いのか?答えは、”腎(じん)”のケアにあります。漢方(中医学)において、腎とは「腎は、精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる。」と考えられていて、精という物質と生長・発育・生殖という機能を担っています。この腎のケアをすることを、専門用語で補腎(ほじん)と言うのですが、漢方の治療法の中でも非常に優れている治療法のひとつと言えます。

 

 

 

腎の機能・働きは、21歳・28歳は右肩上がりで上昇カーブを描きますが、35歳は腎の働きが衰え下降線を描いている年齢にあたります※1。腎の衰えとは、機能の衰えであり、生殖能力の衰え、つまり老化です。この腎の機能をアップさせることにおいて、漢方薬は非常に有効です。そしてケアするタイミングですけれども、理論的には説明しましたように年齢にかかわることですから早ければ早いほど良いです。腎機能をUPさせることが、流産率を下げることにつながるのです。そして流産を防ぐことだけでなく、質の良い卵をつくる原動力にもなりますので、妊娠率も当然のことながらUPします。さらに腎機能をUPさせることは、自分自身だけの問題では無く、産まれてくる未来の赤ちゃんの成長・発育にも深くかかわっていますので、腎のケアをすることは非常に大切です。

 

 

 

腎機能を高める漢方薬を下にいくつか挙げました。参考にしていただければと思います。

 

 

 

腎機能を高める漢方薬

a. 参茸補血丸(さんじょうほけつがん)
b. 鹿茸大補湯(ろくじょうだいほとう)
c. 参馬補腎丸(じんばほじんがん)
d. 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
e. 瓊玉膏(けいぎょくこう)
f. 宝利神(ほうりしん)
g. 海精宝(かいせいほう)
h. 二至丸(にしがん)

 

 

 

流産は女性にとって、本当に辛い出来事です。これを読んで、ほんの少しでも希望を持っていただければ幸いです。

 

 

 

私の妻は同じ業界の先生方から、妊娠はしにくいと言われていました。ある意味で注目をされていたわけですけれども、補腎をする漢方薬を服用していたおかげで、妊娠・出産をすることができました。私たち夫婦も漢方薬の恩恵を得ることができ、ありがたいと感じています。であればこそより多くの方に、漢方薬の素晴らしさを知っていただきたいと切に思います。

 

 

 

※1漢方(中医学)において女性は、7の倍数で歳をとると考え、ちょうど7の倍数の35歳で急激に流産率が上がるという結果に見事に一致しています。

 

 

 

  • この記事を書いた人: 国際中医専門員 医薬品登録販売者 三ツ川道洋
  • この記事を監修した人: 薬剤師 三ツ川亜希