まったく検査で異常がみられない機能性不妊を含めた日本人の不妊症は、ほんとどが陽気不足と考えられます。(卵管が詰まっているなどの器質的な問題は除く)
陽気の不足と言われても、そもそも陽気って何?と思われることでしょうから、まずはそこからご説明しましょう。
人間は、死ぬ前と死んだ後とでは何が違うと思いますか?
筋肉があり、内臓があり、血液があり、物質的なものは全て変わらないはずです。
では違うものは何か―それは、「動く」という力です。
実はこれこそが陽気なのです。
肉体などの物質を動かす力以外にも、嬉しい、悲しい、楽しいなどの感情も陽気があるからこそ起こってくるものですし、意欲が湧いてきたり思考したりする人間的な活動も陽気があってこそと言えます。
この陽気は、子供の頃にはとっても旺盛※1ですが(子供は疲れ知らずで四六時中動いていますもんね)、年を経るにつれてだんだんと減ってきます。縁側で日向ぼっこしながらウトウトしているおじいちゃんおばあちゃんは、相当な陽気不足になっているわけです。
つまり陽気とは、命、生命力とも言い換えられますし、体の働き―”機能”とも言えます。
皆さんは、『ハウルの動く城』(宮崎駿監督)を見たことがありますか?ハウルの城の暖炉に住む”火の悪魔・カルシファー”が、素晴らしい火の魔力(エネルギー)を産み出して、城を動かしたり、お風呂に熱いお湯を送ったりしています。そしてカルシファーの魔力が衰えた時、城はガタガタになりました。この”ハウルの動く城”と”カルシファー”の関係が、まさにここでお伝えしている”人間の体”と”陽気”の関係なのです。
女性としてのからだの働きにおいても、卵胞が育ち・子宮内膜が厚くなり・排卵し―といった一連の働きは、決して肉体という器が行っているのではなく、当然この「陽気」があってこそ性腺軸の働きが活発となり行われているのです。
生きている以上この陽気は誰にでもあるわけですが、妊娠して出産をするということは新しい命をもう一つ生みだすということですから、それ相応の陽気が必要になります。その陽気が一番旺盛になると考えられるのが21歳から28歳で、そこをピークにしてそれ以降は下降線をたどります。西洋医学的にも35歳を過ぎると突然流産率が上がるという事実でそれは証明されています。
妊娠力を高めるにはこの陽気をいかに守るか、いかに高めるか。不妊症においてはそれこそが最も重要であると言えます。ここを抑えずして高額な不妊治療を受けようが、どんな食品を摂ろうが効果は期待できません。反対にここをしっかり理解して病院の治療を併用したり、不妊に良いといわれる食品を摂っていただければ結果は全然違ってきます。
漢方の和歌ノ浦薬局では、この陽気を守り高める生活スタイルを提案し、陽気の不足を高める漢方薬を提供することを第一にさせていただいています。
※1 子供は陽気が旺盛という補足ですが、子供は陰陽の陰が不足しがちなことから相対的に見て陽が旺盛になっているという意味です。これは健康な子供を指してのことで、発育が遅い・すぐ疲れる・アレルギー疾患などを持つお子さんは、陽気が不足していることが考えられます。生まれてくる赤ちゃんのことも考えると、ますます陽気の大切さを痛感させられます。
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