
2009年7月24日に当店ブログ”家族のための漢方生活レシピ”で記載した記事からの転載です
最近では食べ物の旬がいつか分からなくなる程、スーパーには早々と野菜や果物が並びますね。西瓜も然りで、まだ夏と呼べない涼しい気候の頃から、もう真っ赤な顔が並んでいました。私は西瓜が大好きなんですが、そんな頃に食べても、何だかいまひとつな気分です。やっぱり西瓜を食べるのは夏真っ盛りでなくっちゃ!
そんな、気分の問題だけではなく、西瓜を食べる時期はとても大切です。西瓜は、暑気払いの漢方としてしっかり薬効をもっているほど優れた果物です。漢方的に言うと、清熱解毒(こもった暑気の熱をとる)、除煩止渇(イライラや身体の渇きをとる)、利尿などの効能があります。ちなみに、利尿作用は皮近くの白い部分が特に強く、これを塩でもんでお漬け物にしたり、他の野菜と合わせて炒め物にするとおいしくいただけます。いつも捨ててしまう部分ですが、たまには利用してみたいですね。
このように、身体を冷やす作用のある西瓜は、まだ涼しい季節や胃腸の弱る梅雨の時期にはあまり摂らない方がよいかと思います。それに、冷え症の方、体の陽気が不足しているお年寄り、生長するための陽気を奪ってはいけない小さいお子さんには、量を少なくしてあげて下さい。
それから、冷蔵庫でしっかり冷やして食べるのもNGです。いくら暑い時期でも、そして健康な方でも、冷蔵庫から出したばかりの冷たいものを飲食していると胃腸機能が低下するだけでなく、低体温になったり身体全体の機能が低下してしまいます。何より、昔のように川や井戸で冷やしたくらいの温度(10℃前後)が、一番甘味が感じられておいしいらしいですよ!冷蔵庫から出してしばらくおいてから食べるなど、工夫しておいしく西瓜をたべましょうね♪
文: 漢方の和歌ノ浦薬局 管理薬剤師 三ツ川亜希