
皮膚の症状とアレルギー体質であることから蕁麻疹の症例として紹介する。
3ヵ月前からで両腕に痒みを伴う紅い発疹(隆起している)が出て、それらが融合し紅く腫れあがっているように見える。病院では原因不明で病名も付かず、抗アレルギー薬とステロイドが10日分処方された。その時は、7日間で症状が治まったという。今回は2〜3日前からムズムズするなと思っていたら、昨日から再発した。
2012年01月18日 漢方の和歌ノ浦薬局へ
ステロイドを再び使用することに抵抗があった。
両腕に痒みを伴う紅い発疹(隆起している)が出て、それらが融合し紅く腫れあがっているように見える
寒がり、頻尿、冷え性、下半身全体が冷える、生理前に足の裏が特に冷たくなる、肩凝り、腰痛、眠りが浅い、少食、食後の眠気、もたれやすい、
便通2日に1回、疲れやすい、声が小さい、生理痛、生理前のイライラ・頭痛、生理中下痢をしやすい
アレルギー疾患は基本温めるとうまく行く。ただ、単純に温めるという分けではなく、ほんの少し冷やす漢方薬を追加すると劇的に改善に向かう。元々は花粉症の治療方法で、これをアレルギー全般に使えるのではないかと考え、実際にやってみるとうまく行った。この症例がそうである。
さて、M.T.さんだが、素体は完全に陽虚体質(冷え)であるので、附子理中湯を選択し原則通り温めて治すことにした。皮膚が紅く腫れているので、この場合もほんの少し冷やす漢方薬を追加した。結果は、紅み、腫れ、痒みが数日で消えたとのことだった。やはり同じアレルギー疾患であればこの治療方法は通用することが分かった。ここにたどり着くまでに何年もかかり苦労したが、たどり着くと今度はあっさり改善されるので感動が薄れてしまい複雑な気持ちの自分がいる。
M.T.さんはそれから4週間漢方薬を服用され、あれから6年経つが一度も来局はない。代わりにM.T.さんの紹介で花粉症の方が来られ、その方も劇的に効果があったと喜んでいただけた。
この記事を書いた人: 国際中医専門員 医薬品登録販売者 三ツ川道洋
この記事を監修した人: 薬剤師 三ツ川亜希
投稿: 2017.11.30