花粉症 アレルギー性鼻炎 漢方の和歌ノ浦薬局にご相談下さい。

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当店が得意とする症状・疾患をご紹介しています。お気軽にご相談ください。
三ツ川道洋
三ツ川道洋

鼻炎

鼻炎とは、鼻の粘膜に炎症が起きる疾患です。症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり。症状は同じですが、カゼ(ウイルス感染)による鼻炎、アレルギーによる鼻炎、鼻粘膜の自律神経の乱れによる鼻炎、と原因は様々です。ここではアレルギー性鼻炎と鼻粘膜の自律神経の乱れによる鼻炎(血管運動性鼻炎)を取り上げます。

 

 

 

アレルギー性鼻炎 副鼻腔炎(蓄膿)

くしゃみ・鼻水・鼻づまりは、異物が体内に侵入させないようにと働く生体の防御反応です。しかし、本来は何でもない花粉やホコリなどによって過剰に防御反応を示すのがアレルギー性鼻炎と考えられます。アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎に分けられます。

 

 

  • 通年性アレルギー性鼻炎:ほこりやチリなどのハウスダストが原因で季節に関係なく起こる
  • 季節性アレルギー性鼻炎:花粉(スギ・ヒノキ・イネ・ブタクサ・コナラ・ヨモギetc)が原因で花粉の飛散する時期のみに起こる

 

 

症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまり以外に目の痒み・耳の奥の痒み・のどの痛み・のどの痒み・臭いが分からない・鼻がツーンと痛い・イライラ・微熱・倦怠感・アトピー性皮膚炎の悪化等。またアレルギー性鼻炎は、蓄膿症(副鼻腔炎)を合併する恐れもあります。

 

 

  • 急性副鼻腔炎:ウィルスや細菌が副鼻腔に侵入して炎症を引き起こした状態
  • 慢性副鼻腔炎:炎症が原因で膿が発生し、それを排泄できずにいるとこれが原因で再び炎症を引き起こし新たに膿が発生する悪循環に陥った状態

 

 

 

アレルギー性鼻炎と漢方

アレルギー性鼻炎を漢方の立場から見て解説します。アレルギー性鼻炎は、『内因』と『外因』の二つに分けて考えます。内因は“体の中の環境”を指し、外因は“自然環境(春夏秋冬、気候、花粉、ウイルスetc)・居住環境(ホコリ、ハウスダストetc)など外からの影響”を指します。

 

 

 

内因は、『水飲(すいいん)』と『衛気不足(えきぶそく)』に分かれます。水飲とは、体内に水がジャブジャブにあふれている状態のことを言います。原因は、”飲み過ぎ”と”冷え”にあります。お酒・お茶・コーヒー・何でもいいですがとにかく飲み過ぎることによって消化器に負担がかかり、習慣を改めないと最後には消化器の働きが失調し水飲が発生します。冷たい飲食物は、胃腸を冷やしますので水飲発生までの時間を早めます。既に”冷え”ている人は、代謝が落ちてしまっている状態ですので、少しの不摂生で水飲が発生します。また、過労や継続したストレスによっても消化器の働きは乱れますので、水飲発生につながります。ただ、水飲を体内に溜めているだけはアレルギー性鼻炎はまだ発症しません。アレルギー性鼻炎を発症する下地が整っただけの段階です。外因すなわち”花粉、ほこり、ハウスダストetc”がトリガーとなってはじめてアレルギー性鼻炎を発症します。

 

 

 

漢方では外因のことを風のような振る舞いをする邪気として風邪(ふうじゃ)と呼びます。

 

 

 

そこで漢方の治療方法は、“水飲を取り除く”“風邪を取り除く”ということをします。代表方剤が、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。但し、季節性のアレルギー性鼻炎が何年も続いている人・年に数回季節性アレルギー性鼻炎を発症する人、通年性アレルギー性鼻炎の人、疲れやすい・風邪を引きやすい・汗をかきやすい人、鼻汁が粘って黄色い人は、小青竜湯にアレンジを加えるか、別の漢方薬を選択しなければなりません。いたずらに小青竜湯を続けると悪化したり体調を崩したりする恐れがあります。

 

 

 

季節性のアレルギー性鼻炎が何年も続いている人・年に数回季節性アレルギー性鼻炎を発症する人、通年性アレルギー性鼻炎の人、疲れやすい・風邪を引きやすい・汗をかきやすい人は、“衛気不足”の可能性があります。衛気不足の人は、“元気がない、疲れやすい、風邪を引きやすい、声に力がない、息切れ、汗かきetc”という症状を訴えます。衛気不足は、@水飲が身体の正常な機能を低下させることによって起こりますし、A繰り返しアレルギー性鼻炎を発症することでも起こりますし、B不摂生によっても起こりますし、C産まれつき虚弱体質によっても起こります。そこで衛気不足を伴う人の治療方法ですが、充分な“気を補う”ことがまず一番重要になります。臓器では、“脾肺”を強化します。“脾”は、気を生み出す源でありますし、水飲を発生させる場所でもあるからです。“肺”は、バリア機能を持つ皮膚粘膜と関係しているからです。代表的な漢方薬では、衛益顆粒が有名です。気虚が進み陽虚(ようきょ)になってしまうと衛益顆粒では追いつかず、補陽薬を用いる必要があります。

 

 

 

鼻汁が粘って黄色い人・目の痒みのある人は熱証ですので、鼻淵丸・銀翹散・白虎加人参湯・茵陳蒿湯等を使います。但し、朝一番だけ黄色い鼻汁が出て、日中は透明か白い鼻汁であれば熱証ではありません。

 

 

 

副鼻腔炎(蓄膿)には、鼻淵丸・温胆湯・六君子湯・辛夷清肺湯・荊芥連翹湯等を使います。発症してからどれくらい経っているかで薬が変わります。

 

 

 

血管運動性鼻炎と漢方

血管運動性鼻炎は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりとアレルギー性鼻炎の症状と同じで見分けがつきにくいのですが、アレルギー検査をしてもアレルギー反応を示すアレルギー抗体が検出されません。環境の変化で鼻粘膜の自律神経が過敏に反応して起きる鼻炎と考えられています。

 

 

 

暖かい部屋から寒い部屋に行ったときに発症するというのが一番多く耳にします。靴下をぬいで足が冷えたら、服を脱いで寒い浴室に行ったら、プールで冷えたらというのもあります。寒い環境の変化に対応できないというのは、漢方的には陽虚と考えます。夏は暑がり、冬は寒がりというのも陽虚です。陽虚の特徴は、“寒がり・手足の冷え・顔色が蒼白・舌が淡い・舌に水飴を付けたかのように濡れている・尿量が多く透明・下痢(便秘もいる)”です。ただ顕著な陽虚ではなく気の巡りが悪いことで血管運動性鼻炎になっていた方を経験していますので、そこを見極めるのも大切です。

 

 

 

この記事を書いた人: 国際中医専門員 医薬品登録販売者 三ツ川道洋
この記事を監修した人: 薬剤師 三ツ川亜希

鼻炎症例