
「妊娠力を高めるには、陽気が大切」で陽気について・陽気の重要性についてご説明いたしました。次は、この陽気が不足する原因とその症状について説明いたします。
”陽気”は、”機能”であること。そして”陽気不足”とは、”機能低下”であることをすでに説明いたしました。そして性腺軸の働きなどは当に”働き”・”機能”であって、この”機能低下”が不妊につながっていきます。
不妊症の根本原因である「陽気不足」は、冷たい飲食物の過食と無知・老化(妊娠適齢期が過ぎつつある又は、過ぎた状態)・睡眠時間が短い・生まれつき虚弱・生まれつき胃腸虚弱・過労・栄養不良(偏食も含む)・慢性疾患などの原因から発生します。
陽気の不足が起きて来るとまず以下の表内の症状が現れます。該当する症状が多いほど陽気の不足が進んでいることを意味します。表の症状を見ていただいてお分かりのように、まだはっきりとした冷えの症状はありません。
しかし着実に陽気が減りつつある方向に向かっています。この段階を私は、陽気不足の第1段階”隠れ冷え性”と呼んでいます。
隠れ冷え性 | |
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《 主な症状 》
元気がない、気力がない、疲れやすい、声が小さい、言葉に力がない、口数が少ない、億劫、すぐに横になりたがる、汗かき、汗が止まりにくい、息切れ、めまい、立ちくらみ、顔色が白っぽい |
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《 婦人科症状 》
生理の量が多いor少ない、生理の色が淡い、不正出血
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《 その他の症状 》
食欲不振、食欲はないが食べてみたら食べられる、消化不良、お腹が張る、食後眠くなる、腕や足がだるくなりやすい、軟便、内臓下垂、脱肛、物覚えが悪い、夜間尿、尿の余れき、失禁、足腰に力が入らない
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陽気不足がさらに進むと、隠れ冷え性の段階のいくつかの症状に以下の症状がプラスされるかたちで現れます。陽気不足の第2段階です。長年この段階に至っている方々は、冷えていることが当たり前の状態で、相談時には自ら冷えを訴えない人が多いように思います。
陽気不足の第2段階 |
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主な症状 |
寒がり、暑がりで寒がり、手足が広範囲に冷える、季節を問わず冷える、常に眠い |
婦人科症状 |
生理の遅れ、無月経、水っぽいオリモノ、排卵障害、卵胞が育たない |
その他の症状 |
水様便、未消化物の混じった下痢、お腹が冷えるまたは腹痛を伴う、朝決まって下痢をする、尿量が多い(透明)、頻尿、むくみ |
隠れ冷え性の段階、完全な陽気不足の段階、これらは程度の差であってどちらも早急に陽気を高めていかないといけません。この体質を改善しないと何をやってもうまく行かないでしょう。家を建てるときに土台や柱がしっかりしていないと建つものも建たないのと同じです。不妊治療がうまく行かないとご相談に来られる大半は、こういう体質の方々が多いです。