先日の新聞に、「薬剤耐性菌で年8000人死亡」という見出しの記事が載っていました。特に体力や免疫力の弱い、お年寄りや乳幼児に起こってしまい、時々ニュースなどでも耳にすることは多いのですが、全国規模で死者数を調べた研究は今回が初めてで、その具体的な数に驚きました。

 

 

 

「薬剤耐性菌」とは、菌をやっつける為の抗生物質(抗菌剤)を使い過ぎた結果に出てきてしまった、どんな薬も効かない強い菌のこと。そんな菌に感染してしまい、敗血症などで亡くなる方が毎年おられます。

 

 

 

全国で8000人という数は、例えば大阪市中央区で例えると、区民10万人に対して6人という割合です。その数は決して多いとは言えませんが、薬が効かない菌でこれだけの人が亡くなっているという現実を見ると、今後はもっと増えて行くかもしれないという危機感を持たなくてはいけません。

 

 

 

どうして「薬剤耐性菌」というものが出てきているかというと、抗生物質(抗菌剤)を中途半端に使ってしまっていることが多いから!なんです。
例えば・・・

 

 

 

風邪の原因はウイルスだと理解している人はどれくらい居るでしょうか。風邪かなぁと思ってお医者さんへ行って、「抗生物質だして下さい」って言ったことはありませんか?風邪の病原体はウイルスであって菌ではありません。ですから、抗生物質(抗菌剤)では効果がありません。普通の風邪なら自分の力(自然治癒力)で治ってしまうもの。ただ、症状がつらい時には、解熱薬や咳止めや去痰薬や抗ヒスタミン剤などを使うのはもちろんOKです。
ただし、風邪を引くと決まって必ず菌が原因の二次的な症状を起こしてしまうという方には抗生物質が出る場合もありますし、ただの風邪かと思っていたらマイコプラズマ肺炎などの菌が原因だという場合もあります。

 

 

 

こんなふうに菌が原因の病気で抗生物質を使う場合には、症状が良くなったからと言って途中でやめてしまってはダメ!必ず処方された日数分を服用して下さい。そうしないと、菌を生殺しの状態にしてしまうことで、その中から薬に打ち勝ってしまいパワーアップしてしまう菌が出てきます!半殺しはダメ!徹底的に全滅させるまで殺しきらなくっちゃ!!って、何だか物騒な話になってきましたが(笑)

 

 

 

「薬剤耐性菌」を無くしていくために!!

@ ただの風邪には抗生物質は不要!

 

A 抗生物質は最後まで飲み切る!

 

 

 

「薬剤耐性菌」なんて自分には関係ないと思っていたら、若い方でも免疫がぐっと落ちてしまった時や年を取ってから、またはご家族が、思わぬ感染を受けてしまうことにもなりかねません。みんなで、不用意な抗生物質の使用に気を付けて行き、薬剤耐性菌をなくしていくための努力をしていきましょう!

 

 

 

この記事を書いた人: 薬剤師 三ツ川亜希

 

 

 

最終更新日:2019.12.09

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