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「学」。

 

 

 

中医学・漢方医学・東洋医学、「学」は、私共も良く目にする漢字です。漢字「学」の元々の意味・起源を調べてみました。

 

 

 

「学」の旧漢字は、「學」。

 

 

 

篆書(てんしょ)では、下図1のように表します。

 

 

 

学の篆書体
[図1 学]

 

 

 

[図1 学]とは、神様をお祭りしている神聖な建物の中で、子弟が大人としての教えを受ける様を表しています。ここで儀礼や神事・政事(まつりごと)・習慣など、いろいろなことを長老や年長者に教わったのだと思います。

 

 

 

元々は図1学の字に「攴(ぼく)」=攵という文字もくっついていました。「教」の漢字もこの「攵」が入っています。

 

 

 

攴の篆書体
[図2 攴=攵]

 

 

 

「攴(ぼく)」という字は、棒を持って打つ・叩くという形です。

 

 

 

図1と図2を合わせますと右の図3の様になります。

 

 

 

学+攴の篆書体
[図3 学+攴]

 

 

 

つまり古代の大人たちは、子供たちにいろいろな事を教える際には、棒を打って教えていたということです。「教」も同じように叩く・打つという意味が込められています。

 

 

 

学ぶという意味は、”教えてもらう””真似をする”という程度の意味であると、なんとなく理解していました。本来の意味は、教えを乞う者に対して棒で撃ちながら、教えを叩きこんでいくこと。学ぶというのは、鬼コーチ・鬼監督がワンセットだったようです。今の教育現場からすると、到底考えられないと思います。

 

 

 

司馬遼太郎の高杉晋作が主人公の小説だったかと記憶していますが、吉田松陰の幼少時代はこれに良く似たことが書かれています。松陰の教育係の叔父・玉木文之進は、普段は非常にやさしかったのですが、いざ学問となると打って変って相当厳しく松陰を教育しました。松陰が本を読んでいる時に、蚊に刺されそうになって読むのをやめたところ、文之進は烈火の如く怒って殴りました。国家を護るための学問の途中に、私ごとの理由でこれをやめるのは何事か!ということのようです。国家を守ることの厳しさ、そういう立場にあるものは私欲を忘れなくてはならないという心構えを徹底的に叩き込まれたようです。当に「学」の如くに。

 

 

 

戦前くらい前までは、吉田松陰の様なこともいっぱいあったのか、もう無かったのか分かりませんが、今やこんなことしたら暴力教師で懲戒免職でしょうね。しかし現在の教育現場の行き詰まりを考えますと、今一度「学」という漢字の起源を振り返ってもみても、良いのかも知れません。

 

 

 

文:漢方の和歌ノ浦薬局 三ツ川道洋